2014年02月12日

「Salome 〜ヘロディアの娘〜」終了しました。

吹田メイシアターにて、ベリーダンスを中心としたダンサーの方々との朗読コラボ公演、「Salome 〜ヘロディアの娘〜」無事終了いたしました。来ていただいた方、応援の言葉をかけていただいた方々、本当にありがとうございました。

オスカー・ワイルドの名作戯曲「サロメ」を自分なりに解釈・アレンジ・再構築した脚本にしました。現代人にはちょっと難しいかもしれない物語を、登場人物もスッキリ絞って(笑)なかなかコンパクトにまとめられたかな、と個人的には思っています。ダンスを除いた朗読部分だと40分を切りますからね。ハーフタイムのサロメとか(笑)。

ワイルドのサロメは19世紀末の作品なんですが、実際の初演ってどんな感じだったんでしょうね〜。もう最長3ページ分の長ゼリフとかガンガンあって、現代戯曲では考えられないですよね(笑)。ちなみに日本では大正3年、あの松井須磨子さんが最初のサロメを演じておられます。新劇の元祖と言うべき文芸協会・芸術座の看板女優です。

「サロメ」の物語ってもちろん“悲劇”なわけですが、なんだかイメージだけでそれを「サロメに殺されるヨカナーンの悲劇」と捉えてる人が多いと思うんですよね。僕はオスカー・ワイルドの「サロメ」を「幼さ故に愛する人を殺す事しかできなかったサロメという少女の悲劇」と捉えているので、その部分を軸にした脚本になっております。

冒頭の部分などは、原作ではもう登場人物多過ぎで、宗教・人種・歴史的な部分で予備知識のない初見の日本人には何が何だか分からないと思ったので、ユダヤの国を訪れたローマ帝国からの使者とその護衛という、原作にはない人物を登場させてシンプルにまとめました。

朗読の方ですが、サロメ役はムイさんでした。気合い入ってましたね。気持ちが乗ってました。普段のシナツヒコでは、どちらかというと今回お休みの千代子の方が「澄んだヒロイン声」な為、ムイさんに関しては性格俳優的な使い方をする事が多いんですが、今回はがっつりとヒロイン役。よく頑張ってくれました。
枝松さんは、使者の護衛、ヨカナーン、ヘロディアス王妃の三役。それぞれ傾向の全然違う役ですが流石の変幻自在っぷりでね。頼りになります。ヨカナーンとかなかなか男前声でしたよ。ヘロディアスはダンサーさんのダンスに合わせて、途中で方向性を転換したんですが最終的にガッチリはまりました。熱意を持って参加してくれた枝嬢に本当に感謝です。
んで、僕はローマの使者、ナラボート、ヘロデ王の三役。最終的にナラボートもヘロデ王も気持ちの流れを掴めたのが公演二日前くらいでね(笑)。自分で書いた台詞なのに、もう何をやってるんだか。でもやってて気持ちよかったですね。今回は特に。

ダンスパートと朗読パートは完全に分業制でした。ストーリーを見せる事とダンス発表会としての側面を両立させなければならない公演でしたので、両方が実際に舞台で噛み合うかは少し不安だったのですが、いい感じにいきました。これも今回の公演の仕切り役だったLatifa-emi-さんを始め、素晴らしいダンサーの方々のおかげ。役付きのダンサーさん達は皆、指導者クラスの方々。ダンスの素晴らしさはもちろん、人間的にも素敵な人たちばかりでした。群舞はその生徒さんたち。英彰ダンススクールのジュニアダンサーの方々とか、実は当日の小屋入り前の練習で初めて見たんですけどね(笑)、もうビックリしました。スゲェわ。

今回、そのダンサーさんと僕らの間に立ってくれたAKIさんにも本当に感謝。11月、12月にも「翡翠の道」(仮題がそのままタイトルになっちゃったw)という短編でご一緒させていただいた彼女とは高校の時の同級生で、ベリーダンスだけでなくバレエ・ジャズ・ヒップホップと何でもできる万能実力派ダンサー。今回はヨカナーン役でしたが、いつもキレッキレのダンスで、大好きなんです。人間的にもいつも明るくて世話好きでパワフル。同級生ですが尊敬しています。僕が大学時代に所属していた劇団トランプスカンパニー、それから主宰していたはいてっくくねくねでも何度か振付をお願いした事もあり、勝手に『盟友』だと思っていたりしています。今後もまた共演の機会がありそうで、どんな作品ができるのか楽しみです。

くね時代と違って、最近は他の方の主催公演やイベントに寄せていただく事が多く、僕も楽をしてると言うか、純粋に作品づくり・作品発表を楽しめています。でも、僕がそういう状態にあるというのは、誰かが苦労して“場”を作って、それを運営してくださっているという事ですからね。そういう方々に感謝の心を忘れず、謙虚さを忘れず、今後も頑張っていきたいです。

それでも今年は、「シナツヒコでしかできないような事」も何かやってみたいですねえ。なんとか、やれないかなあ?
posted by シナツヒコ at 07:54| Comment(0) | 後藤雄一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする